エターナル・サンシャイン

見逃してた『エターナル・サンシャイン』を。

無口で自分の気持ちが話せないジム・キャリーも、ドリューをやりたくてたまんないケイト・ウィンスレットもかまわんけど、二人が幸せなカップルだったころをしっかり描く気がないんなら、こういうすれ違いものに手を出すんじゃないよとしか思えなくて無性に腹が…。そういう部分のドラマは見る側の記憶で補ってって手抜きでしょ。
凍った湖の上で二人が手を繋いで横になってる姿は素敵かもしんないし、そんなロマンチックな記憶は誰しも持ってるかもしんないけどさ、そんな共感を呼び起こすような画を並べるだけでごまかそうとすんなよ。
実際はこうだよね、みたいな演出で小さくまとまってんのも気に食わない。

久しぶりにヤな映画見た。やっぱミシェル・ゴンドリー嫌い。二度と見ない。

ジョン・カーター日記

4月13日(金)

添野知生のコラムを読んだら我慢できなくなったんで、『ジョン・カーター』を見に川崎へ。IMAX3D字幕版。
おそらく一番堪能できる席に座れたんだけど、堪能しすぎて疲れて寝る。IMAXは好きだけど苦手だ。
寝たらスッキリしたんで、ついでに『少年と自転車』。
ダルデンヌ版『大人は判ってくれない』。すべてを断ち切られた少年が、繋がりを求め走り続ける。その少年をカメラは追い続け、映画は動き続ける。少年を通して映画と繋がる87分。傑作だと思う。ただ洗練されすぎてて、なんか物足りないような気も。
悔しいんでジョン・カーターの原作「火星のプリンセス」を買って帰る。


4月14日(土)

昨日買った「火星のプリンセス」を読む。
荒唐無稽でパワフル。このバカバカしすぎる楽しさは全力で支持したい。
14日はTOHOシネマズの日らしいので、渋谷へ。
2度目の『ジョン・カーター』。
細かい突っ込みどころはいっぱいあるが、それでこそ『ジョン・カーター』。
目の前に広がるバルスーム、重力から解放された無敵感、美女、冒険。
完璧な映画化だと思う。
荒唐無稽さへのささやかな言い訳を、原作通り演出してみせた点も見事。
パンフレット掲載版の添野知生の美文にまたグッとくる。大森望の解説も分かりやすい。いいパンフ。

シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム

世界一有名な探偵をトニー・スタークが演じるシリーズ第二弾。相変わらずてんでエバってない感じが好い。三銃士と一緒で、楽しそう。

絶対叩かれたに違いないのに、嬉々として二度見せをやってそうなガイ・リッチーも(ちょっと上手くなってる)、前回以上に気持ち悪いホームズとワトソンのバディ感も楽しい。なにより敵がモリアーティってのがいい。前回の偽アンディ・ガルシアみたいなんの百倍いい。
もうこれからパッとしない敵は全部モリアーティに代えたらいいと思う。強いし切れるし悪いし有名だし。モリアーティとかライヘンバッハとか聞くと、ミーハーにもワクワクしてしまうのね。

次のシャドウゲームが楽しみだ。

3月にみた映画

3/1「人生はビギナーズ横浜ブルク13
3/1「ヒューゴの不思議な発明横浜ブルク13
3/2「ヒミズ@シネクイント
3/6「スクリーム2
3/9「メトロポリス 完全復元版」
3/9「次郎長三国志 第一部 次郎長賣出す」
3/10「Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち」新宿バルト9
3/10「世界最古の洞窟壁画 3D」@TOHOシネマズ六本木ヒルズ
3/11「ALWAYS 三丁目の夕日
3/11「ALWAYS 続・三丁目の夕日
3/12「次郎長三国志 第二部 次郎長初旅」
3/14「次郎長三国志 第三部 次郎長と石松」
3/15「戦火の馬」横浜ブルク13
3/16「ピープル vs ジョージ・ルーカス」@シネクイント
3/18「捜索者」
3/21「ミッション:8ミニッツ」
3/23「マネーボール
3/24「SHAME」@シネクイント
3/26「E.T. オリジナル版」
3/27「サーチャーズ 2.0」
3/30「ミッション・トゥ・マーズ」
3/30「銀河ヒッチハイク・ガイド」
3/30「デスレース2000年」新宿武蔵野館
3/30「カリオストロの城
3/31「ドライヴ」@ヒューマントラストシネマ有楽町


計25本(劇場10本。DVDとか15本。)

ヴェンダースとヘルツォーク 3D

休みに入るたび雨でうんざりする週末はここ最近毎度のことで、しょうがない明日だ、来週だなんて思っていたら『J・エドガー』が終わっていた。
先延ばしなんてせずに、丸ピカ行っときゃ良かった…。
頼んます二番館様。

代わりに今日見たのは『Pina』と『世界最古の洞窟壁画』。ヴェンダースヘルツォークの3Dだ。

まずは新宿バルト9で見た『Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち』。
久々行ったバルト9は、記憶してたより奇麗でとっても混雑してた。1階の券売機、エレベーターともにすごい列で、結局エスカレーターで9階に。
パレルモ・シューティング』は去年のベストにあげたいほど好きだけど、ピナ・バウシュのこともよく知らないし、3Dだし、正直どうなんかなって思ってた。
大間違いだった。
これは3Dで見なくてはならない作品で、かつ、なにを置いても劇場に足を運ばなくてはならない作品だ。
もしかしたらヴェンダースのこの作品こそが、今現在の、どこか不完全な3D映像というものの強みを最も活かした作品なんじゃとさえ思う。
ピナ・バウシュはとんでもない、この映像を撮りきったヴェンダースもとんでもない。官能的かつ暴力的でありながらユーモラスで、なんといっても美しい。
闇の中から現れは消え、飛び出す肉体の躍動に、何度も体が震る至高の体験。
鑑賞後の心地良い疲れと、感動を約束する。必見。
パンフレットもすごい。




2012年2月25日 日本公開/独・仏・英/104分
監督:ヴィム・ヴェンダース/出演:ピナ・バウシュ

続いてTOHOシネマズ六本木ヒルズにて
『世界最古の洞窟壁画 3D 忘れられた夢の記憶』。

同じ日にヴェンダースヘルツォークの3Dを見るなんて、今後一生無いかもしれないなあなんて思いながら、妙にワクワクしてしまう。
現存する最古の洞窟壁画(3万2000年前に描かれたもの)を、特別に許可されたヘルツォークらが3D撮影し、壁画を描いた古代に思いを馳せるという、そんなん面白いに決まってる映画。
異世界探訪というか、なんともうさん臭くて見世物性の強い、こんな映画が見たかったんだよね、ほんと。当然、怪作。
真っ暗な洞窟に描かれた3万年前の壁画の上手さに驚きながら、様々な証言とともに古代へ迫っていくんだけど、フルートのおっさん辺りから爆発しだす“おやおや感”に笑いが止まらない。上の写真のおっさんもやばい。調香師にも爆笑。
だけど、ラスト近くにスローで画面に映し出される壁画にはちょっと泣く。そして、なんといってもワニ!ワニ最高!!3万年前、関ッ係ねえじゃーん!!!
やーヘルツォークはいいですね。
ある意味『ヒューゴ』以上にメリエス的な『Pina』とはまた違った方法で、ヘルツォークもまた映画の原点に立ち戻り進化させてるっちゅーか。
必見とは言わないけど、好き。大好き。超好き。




2012年3月3日 日本公開/米・仏/90分
監督:ヴェルナー・ヘルツォーク/日本語版ナレーション:オダギリジョー


ヒミズ

シネクイントで「ヒミズ」。
古谷実の漫画が原作ではあるけど、これもまたどうしようもなく園子温だった。
過剰で、うるさくって、身勝手で、パワフル。
この面倒臭さは他にない。
好きか嫌いかなら嫌い。でも新作がやるなら見たい。
だから園子温の映画を面白いと感じているんだと思う。嫌いだけど。

ここには「オレはモグラのようにひっそりと暮らすんだ」って言ってた住田はいない。そのかわり「オレはモグラになりたい。ヒミズになりたい」って住田がいる。似てるんだけどなんか違って、このなんか違う感じが、「ヒミズ」の何倍もいい「冷たい熱帯魚」にどうも乗れなかった理由なんだと思う。もうちょっと考えたいと思ってもたもたしているうちに、おっきい声で答えっぽいものを言われて切り上げられる感じとゆーか。それはすごくパワフルで独特なリズムを生んでるから、見ている間は退屈はしないんだけど、どっかもろい気がして、もっと詰めてよと思ったりで、映画自体がどうでもよくなってくる。

ただ渡辺哲と窪塚のコンビは良かった。何に出ようがどんな役だろうが渡辺哲は渡辺哲で、窪塚洋介窪塚洋介だってことになんだか安心して、相変わらずアクが強いのに無理してない二人が頼もしかった。久しぶりに見るトーちゃんとタカシの相性はバッチリで、ないならないでかまわないシーンなのに、なにかが始まりそうな予感がするとてもいいシーンだった。住田と茶沢なんていいから、あいつらだけ見ときたい。
ムラジュンのヤクザがちゃんと怖かったのと、飛び出す諏訪太郎もよかった。

前の日に見た「ヒューゴ」と「人生はビギナーズ」、先週の「メランコリア」はまたおいおい




2012年1月14日 公開/日本/130分
監督:園子温/出演:染谷将太二階堂ふみ


2月にみた映画



2/1「贖罪」 第四話 “とつきとおか”
2/2「アジョシ」
2/3「レイジング・ブル」
2/4「十三人の刺客
2/5「インシディアス
2/5「スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師」
2/7「A.I.
2/8「小悪魔はなぜモテる?!」
2/9「贖罪」 最終話 “つぐない”
2/10「ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女 完全版」
2/10「ミレニアム2 火と戯れる女
2/11「ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士
2/11「ドラゴン・タトゥーの女」@109シネマズMM横浜
2/13「ラースと、その彼女
2/14「キミに逢えたら!」
2/15「君とボクの虹色の世界
2/17「プライベート・ライアン」
2/18「ウォーキング・デッド シーズン1」
2/19「メランコリア横浜ブルク13
2/20「接吻」
2/21「ハードキャンディ
2/23「ヴァイオリンを弾くディクソン」
2/23「キス」
2/23「ラ・シオタ駅への列車の到着」
2/23「地獄のケークウォーク踊り」
2/23「音楽狂」
2/23「妖精たちの王国」
2/23「不可能な世界への旅」
2/23「大列車強盗
2/24「日食」
2/24「月世界旅行
2/24「キッド」
2/26「要心無用
2/28「巴里の屋根の下」
2/29「自由を我等に」


計35本(劇場2本。DVDとか33本。初見31本。)4