ヴェンダースとヘルツォーク 3D

休みに入るたび雨でうんざりする週末はここ最近毎度のことで、しょうがない明日だ、来週だなんて思っていたら『J・エドガー』が終わっていた。
先延ばしなんてせずに、丸ピカ行っときゃ良かった…。
頼んます二番館様。

代わりに今日見たのは『Pina』と『世界最古の洞窟壁画』。ヴェンダースヘルツォークの3Dだ。

まずは新宿バルト9で見た『Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち』。
久々行ったバルト9は、記憶してたより奇麗でとっても混雑してた。1階の券売機、エレベーターともにすごい列で、結局エスカレーターで9階に。
パレルモ・シューティング』は去年のベストにあげたいほど好きだけど、ピナ・バウシュのこともよく知らないし、3Dだし、正直どうなんかなって思ってた。
大間違いだった。
これは3Dで見なくてはならない作品で、かつ、なにを置いても劇場に足を運ばなくてはならない作品だ。
もしかしたらヴェンダースのこの作品こそが、今現在の、どこか不完全な3D映像というものの強みを最も活かした作品なんじゃとさえ思う。
ピナ・バウシュはとんでもない、この映像を撮りきったヴェンダースもとんでもない。官能的かつ暴力的でありながらユーモラスで、なんといっても美しい。
闇の中から現れは消え、飛び出す肉体の躍動に、何度も体が震る至高の体験。
鑑賞後の心地良い疲れと、感動を約束する。必見。
パンフレットもすごい。




2012年2月25日 日本公開/独・仏・英/104分
監督:ヴィム・ヴェンダース/出演:ピナ・バウシュ

続いてTOHOシネマズ六本木ヒルズにて
『世界最古の洞窟壁画 3D 忘れられた夢の記憶』。

同じ日にヴェンダースヘルツォークの3Dを見るなんて、今後一生無いかもしれないなあなんて思いながら、妙にワクワクしてしまう。
現存する最古の洞窟壁画(3万2000年前に描かれたもの)を、特別に許可されたヘルツォークらが3D撮影し、壁画を描いた古代に思いを馳せるという、そんなん面白いに決まってる映画。
異世界探訪というか、なんともうさん臭くて見世物性の強い、こんな映画が見たかったんだよね、ほんと。当然、怪作。
真っ暗な洞窟に描かれた3万年前の壁画の上手さに驚きながら、様々な証言とともに古代へ迫っていくんだけど、フルートのおっさん辺りから爆発しだす“おやおや感”に笑いが止まらない。上の写真のおっさんもやばい。調香師にも爆笑。
だけど、ラスト近くにスローで画面に映し出される壁画にはちょっと泣く。そして、なんといってもワニ!ワニ最高!!3万年前、関ッ係ねえじゃーん!!!
やーヘルツォークはいいですね。
ある意味『ヒューゴ』以上にメリエス的な『Pina』とはまた違った方法で、ヘルツォークもまた映画の原点に立ち戻り進化させてるっちゅーか。
必見とは言わないけど、好き。大好き。超好き。




2012年3月3日 日本公開/米・仏/90分
監督:ヴェルナー・ヘルツォーク/日本語版ナレーション:オダギリジョー