わたしを離さないで

今年の映画取りこぼしを見よう&振り返ろう週間。

今日見たのは4月に文化村で一応見たんだけど、舟を漕いでしまったもんでイマイチ入ってこなかった「わたしを離さないで」。
レンタルのブルーレイで再見。

見てないとこだけのつもりだったんだけど、冒頭から全く…覚えてない。
はじまった途端に寝てたようで、子供時代はもうさっぱり。
キャリー・マリガンに戻ってからは全部覚えてたんだけど…。

結局、ちゃんと見てない映画の見てないとこだけ見ても、面白くないしあんま意味ないよなと思って、最初から最後まで見ることに。
まあ変な見方をしたせいで、子供時代のシーンのあれがあれだったんだ、なるほどこれがあっこで利いてきたわけだってのを逆の順番で確認する、妙な感じにはなってしまったんだけど。

まあ、宣伝されてるような衝撃の結末って驚きはない。ただ“あり得たかもしれない過去(あるいは、あり得るかもしれない未来)”のSF的面白さや、ジンとくる独特の味わいがある作品なのは間違いない。中盤、アンドリュー・ガーフィールドの口からもれる「because」はとっても美しくて、とっても哀しい。
カズオ・イシグロの原作を読んでないんで、あんまり偉そうなことは言えないんだけど、これは映画というより、とても誠実に映像化された文学なんだと思う。
なんていうか、映画としては、たとえ失敗に終ったとしても、あの狭い世界から抜け出す(抜け出したような)瞬間を捉える必要があったんじゃないかと、思う。

子役を含めた主演の三人や、シャーロット・ランプリングはとてもいい。
キャリー・マリガンはちょっとやり過ぎかもしれないけど巧いと思う。
ともあれ、見返してみて良かった。原作を読みたい。




2011年3月26日 日本公開/イギリス/105分
監督:マーク・ロマネク/出演:C・マリガン、A・ガーフィールド、K・ナイトレイ