夜よ、こんにちは

イタリア最大の事件と呼ばれた、アルド・モロ元首相誘拐事件に基づいた映画。
監督は「愛の勝利を」のマルコ・ベロッキオ

平気な顔して過剰なことをやってくるというか、なんというか。
贅沢な映画だなあなんて思いながら、ぼんやり画面を眺めていたら、急に音楽が暴走をはじめる。もちろんヘリやテレビの音、みんなで歌うカチューシャだとかの予兆はあったんだけど、別格過ぎて言葉もない。

これまでどうでも良かったPink Floydの「The Great Gig in the Sky」と、この映画の出会いはあまりに幸せ。その瞬間、映画が現実を浸食し、闇の中で全てはトロトロ。映画にのみこまれてしまう。もうぼんやりなんてしてらんない。
赤い旅団のことも、イタリアの歴史のことも全く詳しくない。
それでもなんだ、この感動は。動揺が収まらない。




2006年4月29日公開/イタリア/105分
監督:マルコ・ベロッキオ/出演:マヤ・サンサ、ルイジ・ロ・カーショ