ブローン・アパート

ベストセラー小説「息子を奪ったあなたへ(Incendiary)」の映画化作品。
ユアン・マクレガーが出てることから察してくれというような映画だった。

原作の小説を読んでないし、この監督の「ブリジットジョーンズの日記」も観てないんで、あんまり偉そうなことは言えないんだけど、きっと出来る限り原作に忠実にしないといけない事情があったんだろう。
たぶん撮影してる時点で、撮ってみるとなんか違うってことには気付いてたはずで、そのなんか違うって気持ちのまま物語が積み重ねられていくんで、正直観ている側としてはどんどんどうでもよ…突き放されていく。どうしたもんか。

主観で語られる小説とは違って、映画はどこまでも客観的なカメラとマイクを通さないといけないんで、文字を読んでいるうちは気にならないおかしな点が全部映ってしまうし、聴こえてしまう。
ウィンターボトムが映画化した「キラー・インサイド・ミー」では、小説を映像化したことで見えた景色が、物語に奥行きを与えてたし、分かった上でやってるような強さを感じたんだけど…

せめて愛する息子のことくらい「ボーイ」だとか「坊や」とかじゃなく、名前で呼んでくれたらなあ。そんくらいは闘ってくれ。




2011年1月29日公開/イギリス/100分
監督:シャロン・マグアイア/出演:ミシェル・ウィリアムズユアン・マクレガー