太陽の帝国
見ていてぐっと感情移入させられてしまいそうなシーンなのに、スピルバーグが見てるのは実はこっちとは違ったりして、それでもそれはそれでというか、むしろそういうことだったのかというか、なんだかよく分からないんだけど、そんなシーンが妙な強さを持って胸を打ってくる。
もちろん真正面から感動してしまうこともあるんだけど、このちょっとずれてもなおってのがスピルバーグっぽいとこなのかもしれない。ちょっと変かもしれないけど、俺はこう信じてるんだ!ってのをあの手この手で訴えてくる。
「太陽の帝国」を見てると、スピルバーグがこの作品を一生懸命、本気で撮ったんだなってのがビンビン伝わってくるから、好きにならずにいられない。
だから最後に「Directed by STEVEN SPIELBERG」ってかなりでかい文字で出てきた時、思わず拍手したくなってしまった。
― どうだい?これ撮ったの俺。スティーヴン・スピルバーグ。
― やー素晴らしかったよ!!!
1988年4月29日公開/アメリカ/151分
監督:スティーヴン・スピルバーグ/出演:クリスチャン・ベール、ジョン・マルコヴィッチ